まったく世の中には親切な方がいるもんだ・・・
その親切なあしながおじさん的な方は、見ず知らずのわが家の家庭事情をピンポイントでどこかの諜報員に調べさせたらしく、細々と生活をしているのを見かねて、1,100万円ものお金をくださるというのだ。
寝耳にウォーター
瓢箪から駒
棚からぼたもち
とはまさにこのことで、
こんな夢のような話しが舞い込んできたのは、昨年、あしながおじさんから自分に送られてきた、一通のメールだった。
そこに書かれていたのは、その方のお父様が急逝され、残されてあった遺書には「他人に遺産を譲渡しなさい」と記されていたらしい。
そこで、そのお方は赤の他人数人に遺産を譲り渡すことを腹に決め、日本総人口一億三千万人弱の中から、見事自分が選ばれたのである。
しかしとてもではないが、見ず知らずの方にそんな大金を頂くなんて、小心者の自分には到底出来なかった。
「いくら金に困っているからと言っても、そこまでは落ちぶれていないぞ!」
と、変な貧乏人の意地で、せっかくの好意を無駄にして本当に申し訳ないと思ったが、知らぬふりをしてしまった。
また別の日には、
「この度はご当選おめでとうございます!携帯電話キャンペーンで、一等:一億円に当選されました」
必ず上記URLに・・・
いっ⁉一億ぅ~っ!
凄すぎる、こんな強運を自分は持っていたなんて!
何に応募をしたのかをすっかり忘れてしまっているぼけっぷりだが、一億もらえるなら多少のぼけの進行も致し方ない。
挙げ句の果てには、
「誕生日おめでとう!空いている日ある?みんな会いたがっている」
と、あのキムタクからもメールが来るようになった。
(別に好きなわけじゃないけど・・・)
というか、どうやって自分のアドレスを知ったのだろう?
キムタクと直接会ったことなんてないし。
はっ⁉まさか、諜報員がそこまで・・・
しかし凄腕の諜報員も、自分の誕生日まではさすがにかぁ・・・
メールが送られてきた日と誕生日は、かすってもいなかった。
でもいいや、こうなったら誕生日をその日にしちゃうか。
思い起こせば一昨年・昨年からつきにつきまくっている自分。
大金が舞い込んでくる話や大物芸能人からの思いがけないメール。
実は最近になって大事に乗っていた愛車が不調続きなので、そろそろ新車が欲しいと思っていた矢先。
そこで時々、こんなメールが来ていたなと思い出し、探していたら結構な数の何かに当選していたり、金銭譲渡のお話しがあったという訳。
たしか、これ以上他人様からご厚意を受けるのは心苦しいので、アドレスを変えちゃったんだよなぁ。
今年に入ってからまだラッキーメールが一つも来ていない。
運も尽きたようだ。
持ちつ持たれつ。ここは人の善意に甘える事としよう。
やっぱりお金には変えられないので、恥を忍んでお返事用のURLをクリックしよう。
・・・あれっ?
えっ?
一致するウェブページは見つかりませんでした?
いやっ、何かの間違いだっ!
・・・日がもうだいぶ過ぎちゃってるもんなぁ。
これからはすぐにお返事しようっと!